痛みの診療
痛みは、大きく「種類」と「時間の経過」で分けて考えることができます
痛みは一見同じように感じられても、
起きている仕組みや続いている時間によって性質が異なります。
当院では、痛みを
- どんな仕組みで起きているのか(痛みの種類)
- どれくらい続いているのか(急性か、慢性か)
という2つの視点で整理しながら診療を行います。
痛みの「仕組み」による分類
① 侵害受容性疼痛(けが・炎症による痛み)
体のどこかに実際のダメージや炎症があり、それを知らせる痛みです。
- ぶつけた、ひねった
- 関節が腫れている
- 筋肉や靱帯に炎症がある
といった場合に多くみられます。
👉 比較的わかりやすい原因があり、時間とともに改善しやすい痛みですが、
痛みが強い間は生活が制限され、動かさないことで別の問題が生じることもあります。
② 神経障害性疼痛(神経が傷ついた・圧迫された痛み)
神経そのものがダメージを受けたり、圧迫されたりして起こる痛みです。
- ビリビリする
- 電気が走るような痛み
- 焼けるような痛み
- しびれを伴う痛み
といった特徴があります。
- 坐骨神経痛
- ヘルニアに伴う痛み
- 帯状疱疹後の痛み
などが代表的です。
👉 一般的な痛み止めが効きにくいことが多く、
神経に対する治療や神経ブロックが有効になることがあります。
③ 痛覚変調性疼痛(痛みの感じ方が変わってしまった状態)
検査では大きな異常が見つからないのに、
痛みが強く続いている状態です。
- 軽く触れただけで痛む
- 以前より痛みに敏感になっている
- 痛みの範囲が広がってきた
といった訴えがみられます。
これは、
痛みを感じる神経や脳の働きが過敏になっている状態と考えられています。
👉 「気のせい」や「我慢の問題」ではありません。
適切な薬物療法や注射治療で、
痛みの過敏さを落ち着かせることを目指します。
痛みの「時間」による分類
急性痛
- けがや炎症が起きてから間もない痛み
- 数日〜数週間程度で改善していく痛み
👉 体を守るための大切なサインであり、
原因を見極めて対処することが重要です。
慢性痛
- 3か月以上続く痛み
- 原因が改善しても痛みだけが残っている状態
慢性痛では、
痛みそのものが生活や気持ちに影響し、
さらに痛みを強めてしまうことがあります。
👉 「原因を治す」だけでなく、
痛みとの付き合い方を整える治療が必要になります。
実際には、いくつかが重なっていることが多いです
多くの方は、
- 侵害受容性 + 神経障害性
- 神経障害性 + 痛覚変調
- 急性から慢性へ移行
といったように、複数の要素が重なった状態にあります。
「自分の痛みはどれなのか分からない」
それが普通です。
当院では、
今の痛みがどのタイプに近いのかを整理し、
その人に合った治療を選ぶことを大切にしています。
それぞれに合った治療があります
- 炎症や負担が原因の痛み
- 神経が関与する痛み
- 痛みが過敏になっている状態
- 手術はまだ考えられないが、痛みを和らげたい状態
こうしたケースに対して、
薬物療法、神経ブロック、関節注射などを組み合わせ、
今の生活を少しでも楽にすることを目指します。
